第19章 正体の時間
そうして、素行不良の生徒もいけることから
理事長室にあった盾やらを壊し、E組に入ることになった。
入試の成績を褒める先生もいたけれど
そんなことは、どうでもよかった。
あかり(演じよう…完璧に。
あの書き置き通りなら
お姉ちゃんを殺して逃げた怪物は、必ずE組に来る)
そう鏡の前で自分を見る中、想い出すのは…
あぐり「あかりは可愛くて良いよねぇ。
お姉ちゃん、その遺伝子が羨ましいよ」
あかり(私は胸の遺伝子が羨ましい^^;)
あぐり「私達の共通点は黒髪くらいか~」
そういった言葉で、転入する前に
あかり(髪の色も変えよ…)
そうして、緑色に変えてから
触手の種を、私は首筋に埋め込んでいた。
それから、E組に転入することになった。
渚「あれ、君…確か…
カエデ「今日から転入なの
(目立っても目立たなくても警戒される…
私より目立つ主役をつくり、私はその脇役に徹するんだ」
ポニーテールにしてた渚に、私がしていた髪型を教えた。
カエデ「茅野カエデ、よろしくね!」
そうして、私たちは出会った。
それから、触手が私に聞いてきた。
どうなりたいかを…
私は答えた、殺し屋になりたいと。
恨みも激痛も、
全ての本心を押し殺し、決行の時まで演じきれる殺し屋に。
お姉ちゃんに、そっくりな生徒が現れた時には驚いた。
だって…
その、真っ直ぐすぎる眼も
ちゃんと見てくれて、温かく受け入れてくれる所も…
本当に、よく似ていたから。
一瞬、決意が揺らぎそうになった。
語りたくなった。
でも…
私の想い出さえも、見抜いているようにも視えた。
だって…
あんな風に、真っ直ぐに向き合ってぶつかってきてくれる人
どこに行っても、いなかったから……
(第一部・344、345、363~365参照)
ケイトの姿に
姉ちゃんが、ダブった。
体つきも違うはずなのに、やけにリアルだった。
!そうだ…
笑顔が、似ているんだ。とっても…
今までの、どんな時でも
前に、紅葉狩りに行こうって誘われた時も……
いつでも、幸せそうに笑う姿が…