第2章 シルバーウィークの時間
……
ホント、相談すればいいのにしないしさ(苦笑&溜息)
その上、相手も相手で気付かないし。
誰だって、足りないものはある。
完璧なものなんてない。
強要されたって、辛いだけだっていうのに気付こうともしない。
合わせろって、解れって言われても
言われないと解らないことだって、たくさんある。
そこんとこ、ちゃんと考えられるようにならないといけないんだって…
色々、見ていて学べることばっかで……
ケイトと、ちゃんと向き合えてなかったんだろうね。
誰かが気付かない部分やできない部分なんて
この世にはいくらでもあって、だからそれを受け入れるとかさ…
説明すれば、ケイトは繰り返させないようにしてくれた。
笑っていられる、そんな幸せな未来に持っていけるようにって…
相手のために必死に動いてばっかで
自分のためには、あんまり積極的には動かない。
感情が爆発して、いきなり抱き着いてこられたりとか
笑顔とか、じゃれ合いとか、温もりとか…
そういう、普段ならだれでもあるはずのものが無くなるほど追い詰めてるって自覚もない。
それを何とも思ってない時点で
人としてどうなんだって考えたりはしない。
自分の欲求に従って
勝手にばらまいて、ケイトを傷付けるように持っていって…
それなのに、あんな風に自分だけは悪くないっていうのは
結構ひどいって思ったんだろうねえ、理事長先生も俺も…」
そう言いながら、溜息をついた。
どうあっても代えられない過去と
今も変わらなかったであろう、男子生徒に向けて言っているように見えた。
渚「そういう理不尽がまかり通るのが世の中だって言ってたっけ」
カルマ「うん。
過ごした時は、もう帰ってこない。
そのたった一人の価値観の押し付けで
それが広まって、束になって毎日繰り返し続けてきた。
それだけで…
その当時の年だけでなく、それ以降の年まで狂わせた。
だから…
余計に、絶対許せないって思った。
ひいき目抜きで
そういうこと平然とやって、何とも思わない連中は悪くないかって言われれば
1000%以上やった奴が悪い。
でも、俺らが子供だから成り立つんであって
大人になれば、別になるかもしれない。
その時は裁判に持ってけば勝てるんだろうけど…難しいよねぇ(溜息」