第17章 空間の時間
私はいったい…
何を教えてきたんだ。
強い生徒に育てなければ、何の意味もなかったんだ。
ならば、強いとは何なのか…
まず教える私が、熟知している必要がある。
それからは、あらゆる強さを学び尽くした。
私の生徒を殺した男達は、言葉巧みにギャンブル中毒の廃人へと導いた。
学校を新たに開き
私の弱さの象徴だったあの校舎は、弱者への見せしめの場所にした。
強く…ただ強く育てねば…
いざとなれば、他人を生け贄にしてでも自分だけは生き残れる強い生徒を…
教育に使えるものは何でも使う。
一人でも多く、強者を育てるために。
そして今…
弱者も強者も私の元から去って行き、目の前には死だけが残った。
ただ、一人を残して……
片岡「理事長が殺せんせーをクビにしても構いません!」
神崎「私達は、殺せんせーについていきます」
ケイト(私も同じ気持ちだ。
皆も同じなのを感じ取ってか、私も殺せんせーも涙ぐんだ)
今年のE組の生徒は、いつも私の教育の邪魔をする…
理事長「殺せんせー、私の教育論ではね、
あなたがもし地球を滅ぼすなら、それでもいいんですよ
(地球が無くなれば、結末は全員平等に訪れる…
私の生徒だけが不利益を被ることもない」
その脳裏に浮かぶのは、最初に教えた三人の生徒たち。
笑顔で笑いかけてくるその姿が、瞼にちらついた。
どごぉん!!
その爆発の中、衝撃も痛みもないことに気付き
目を開けた。
すると…
殺せんせー「ヌルフフフ…
私の脱皮をお忘れですか?
あなたのことだ。
自分の番が回ってくれば
きっと、開くと思っていましたよ」
理事長「…なぜ、私の行動が断言できる?」
殺せんせー「似た者同士だからです。
お互いに、意地っ張りで教育バカ。
自分の命を使ってでも、教育の完成を目指すでしょう。
私の求めた教育の理想は
十数年前のあなたの教育と、そっくりでした。
私があなたと比べて恵まれていたのは、このE組があったことです。
まとまった人数が揃っているから
同じ境遇を共有してるから、試練にも団結して耐えられる」
ケイト「!」
その言葉に、彼女は合点のいった表情をした。
(6月14日PM10:31~15日AM2:30、341~350(10ページ)更新)