第17章 空間の時間
理事長「あと3回耐えられればあなたの勝ちです。
さ、回復する前にさっさと次を解いてください」
そういう中、殺せんせーが次の問題集にかかろうとした。
理事長(弱者は暗殺でしか強者を殺せないが
強者は好きな時に好きなように弱者を殺せる。
さぁ、殺せんせー。
私の教育の礎となってください(微笑))
ケイト「勝った(ぼそ」
カルマ「?」
その直後
シャッ!
殺せんせーが一瞬で開いてから解いて閉じた。
殺せんせー「はい。
開いて解いて、閉じました」
理事長「!」
殺せんせー「この問題集シリーズ
ほぼほぼどのページにどの問題があるのか覚えています」
理事長「私が持ってきた問題集なのに、たまたま覚えていたとは…」
殺せんせー「まさか。
日本中、全ての問題集を覚えましたよ。
問題が解けるまで爆弾の前から動けない。
こんなルール、情熱のある教師ならばクリアできます。
残り1冊。あなたの番です」
そういう中、その脳裏には…
昔の出来事が、浮かんでいた。
椚ヶ丘学習塾。
E組の校舎となる前、理事長は教師として働いていた。
赤字分は株式投資で補填しており
『皆の良いところを伸ばすには、教える私は全ての良いを熟知している必要がある。
必要だから完璧になったにすぎないんだ』
私塾の滑り出しは上々だった。
雑音のない山奥で各自の長所を存分に育てる。
私の志す、理想の教育だ。
そして…
自分の持つ良い所を、誰もが持っているわけではないことを教えたりもした。
将来社会で、遺憾なく長所を発揮できる人材を育てる…
私は全力で考えて授業に当たった。
無事、最初の生徒たちは志望校に受かった。
そして、椚の葉の形をしたネクタイピンをもらった。
それから3年が経つ頃には、塾は大盛況になっていた。
池田君から連絡があったが
その時の私は、すぐには動かなかった。
来週の用事の帰りでいいと、思っていた。
3年ぶりの連絡にも関わらず、考えが及ばなかった。
昔のようにバスケをしようと、ボールを持ち
池田君の家の前に立った時に見たのは…
葬式だった。