第16章 期末の時間 2限目
中村さんが、カルマ君に尋ねた後
ケイトちゃんにも、似たようなことを聴いていたのを思い出した。
中村「ケイト…
あんたも、A組倒す気なんでしょ?
あの様子見て、勝てる?」
ケイト「いやいや。
私は、A組なんて眼中にないよ。
あるのは…
ただ、一つの高みについて。
5科目(国、英、数、社、理)だけじゃない。
それ以外の4科目(美、家、体、音)もまとめて100点取って
総合異例の900点を取る。
それだけだ」
『かっけえ;』
そう、遠い目をして微笑むケイトちゃんに
思わず見惚れていたのは、そこだけの話。
といっても…;
五科目あったのに、余裕でこなしてるのは流石だと思った;
連続でも息が荒れないって…;
カルマくん曰く
『その異様な集中力と
それによる体力消耗防止のために、色々やってたよ』
らしいけど;
殺せんせー曰く
『動きの全てに、無駄がない。
たとえ無駄になったとしても、それを囮に抜く。
全てを生かし、繋げ…打ち勝つ。
それは、誰にでも出来るようなことじゃない』
そう絶賛し、先輩とまで言っているわけで…
そう、教師の道を勧められたけど
戦闘技術やバスケを教えることに専念したいとかで断ってた。
ケイト「人にそういうのを教えるのは、誰でも出来るわけじゃない。
言葉だって、受け取り方によっては
誰にでも、違う意味としてとらえられることがある。
だから、その場で言葉にして教える教師にはならない。
その教える方法だって、別のものがある。
本とかにでも纏めて、既に出版願い出してあるから大丈夫^^
あれ以上は、とても言えないよ(苦笑」
そんなやり取りが期末試験前にあって…
そんなに時間が経たず、本が出版されていた。
文化祭の日、国語が苦手のことから出されていた
詩の宿題を完成させた時…
それから二日後に
ペイントで作って、最後のページにはっつけて欲しいとお願いしたそうで……
その本が売られたのは
期末テストが全部終わった日の放課後だった。
『異例かつ、唯一の女性NBA選手になった
一人の女性の人生が、ここに集約する!!』
そんな見出しに
僕等は冷や汗交じりに、それを取ったわけで…;
その時、隣にはマッハ読みした殺せんせーが滝涙していた;