第15章 これからの時間
言うだけの人じゃなかった。
嘘を言う人じゃなかった。
ケイトちゃんって人柄は、その時から全く変わらなかった。
相手を気遣ってばかりで
いっぱいいっぱいになると、周囲が見えなくなって…
最終的に暴走して、カラ回って……
それで誤解されたり、集中してる時に話しかけても
何も返ってこないことなんてしょっちゅうだったから慣れてた。
でも、肩を叩けば
そして話しかければ…
いつものように
ケイト「?何?」
きょとんとした顔で、尋ねてくる。
どんな人でも、差別もしない。
裏も全くない。嘘もつけない。見過ごせない。
でも、それは自分に対しても同様で…
けれど
それで結局、自分を殺していたことなんて知らなかった。
暗殺教室に入って、僕等はより近くなった。
名前も知った。
うまく話しかけられなかったけど、本人は全く気にしなくって…
前から、ずっと…
人が悪いことをした時は、全くといっていいほど責めないで許す人だから……
それ以上に、自分に厳しい人だから
相手に辛い気持ちを味あわせないことを、常に優先しちゃう人だから……
だから、自分を壊すほど
殺すほどに、責め悩むことの方が圧倒的に多かった。
心労がたたって、倒れたこともあった。
身体が動かなくなったって聞いた時は肝を冷やしたけど…
不器用ながらに、必死に頑張ってるんだってことは
見ていて、よくわかった。
あまり理解してもらえないで
それが、当たり前になった。
だから余計に辛くて、壁を作りがちだったのかもしれない。
それでも、暗殺教室に来てから
その壁が、段々壊れていって…
今になって、やっと…
自分の未来を、望むことができるようになった。
望んでもいいんだって、泣きながら言うのを見た時…
たまらなく、嬉しかった。
だって…
迷惑をかけるぐらいなら
死んだ方がいいんじゃって言葉を、とてもよく聞いてたから……
だから…
ケイト「……さ!
…ぎさ!!
渚ってば!!!おーい!!」
今、とっても幸せなんだ^^
全部、天秤にかけた上で
やっと、これからの未来を望んでくれたから……(微笑)
(6月8日PM10:56~9日AM2:23、311~320(10ページ)更新)