第15章 これからの時間
渚「っ;
(泣いちゃ、ダメだ。
堪えなきゃ…
そうじゃなきゃっ;
せっかく
大切な事、言ってくれたのにっ;」
震えが止まらなかった。
涙も止まらなかった。
だって……
だって、ずっと欲しかった言葉だったから。
差別しない人が欲しかった。
成績が下だろうが、運動が下手だろうが
誰だって苦手なものはある、得意不得意があるのは当然だ。
そう、言葉をかける中に
なぜか、上辺だけで言ってくる人の方が多かった。
言葉だけで、態度は伴ってない人の方がよっぽど…
なのに、違った。
この人だけは…
ケイトちゃんだけは、面と向かい合ってぶつかってきてくれた。
その上で、僕って人柄をとらえて
ありのまま、受け入れてくれた。
真っ直ぐ向き合って、温かく受け入れてくれる。
そんな人が…
どれだけ少ないのかぐらいは、よくわかっていた。
だから余計に、手放したくなくて…
立ち止まったまま、気付けばその服の裾を掴んでた。
離れたくなかった。
今までが、差別されるのが当然だったから…
メルアド消されたり、変えられて連絡取れなくなったり
気にしないって言ってくる人もいたけど、やっぱり口だけで…
そんな人達だけだった。
だから、余計に止まらなかった。
ケイト「………(ぽんぽん&微笑」
でも、ケイトちゃんは…
何も、言及しなかった。
話すのが辛いのなら、無理に言わなくていい。
話したくなるまで待つ、いつでも付き合うからさ^^
その言葉は、今も続いてる。
行動として、ちゃんと示してくれている。
それごと、優しく受け止めてくれている。
優しく頭を撫でて、黙ったまま寄り添い続けてくれた。
泣き止むまでずっと……何度も、何度も…
気付けば、あたりは暗くなっていた。
それとは対照的に
その頃には、僕の心はどこか澄み渡っていて
とても、晴れやかな…不思議な感覚に包まれていた。
ケイト「じゃ、またな^^」
それから、帰り道を歩きながら
理事長が気に食わないとか、言ってくれた。
今の方針は間違ってる、絶対許せないって…
どれだけ行動を示しても、変えてくれないって……
全部、ホントのことなんだって解った。
だって…
嘘をついたことなんて、一度もなかったから。