第15章 これからの時間
ケイト「…」
カルマ「少しは振り切れた?
新しい力だって身につけたんだしさ」
ケイト「そうだな。
セキのおかげで、力を失ってももう大丈夫だって解った。
あとはそれを、力を失った時に使うだけ…
実を言うと…
最初はさ、死にたくて仕方なかったんだ。
ヒトってもんに、恐怖が染みついてて仕方なかった。
自分を責めなきゃ、潰さなきゃやってられなかった。
誰も味方なんていない。
『うっかりやる時ある』なんて言ってくれる人なんていなかった。
他の人が同じことをしてても、責めたりしない。
同じ間違いをしたとしたら、自分だけ責める。
将来に、みんなが笑ってられる未来に繋がるのは
私がいない未来だって、私は思ってた。
でも、違った。
私が倒れた時、皆はバカみたいに心配してくれた。
鷹岡先生に怒って、ぶち切れて
それで力が暴走して、死にかけてた時……
解ったんだ。
向けてこられる顔が、心配で仕方のないもので…
「ああ、逆だったんだ。
そうしたら、逆に負担や心配をかけちまう。
そんでもって…
一番見たかった、笑顔でさえも見れなくなっちゃう」ってさ……(苦笑)
それが解ったから、私は生きないとって思えた。
話さない方がいいって思い込んで、抱え込んでた時だって
カルマがぶん殴ったり叩いたりして区んなかったら解らなかった。
理解者ができるわけないって、ふさぎ込みかかってた。
恐怖が一番先に来て、話せなかった。
それでさえも、皆はこじ開けてくれた。
生きて欲しいって望んでくれた…
これから先を、望んでいいんだって解ったんだ」
その直後、
ぽとっぽととっ
涙が零れ落ちる音がした。
ふと顔を見ると、涙を流しながら笑っていて…
ケイト「なんでかな…;;
望まれるはずなかったのに;
望まれていいわけがないって思ってたのに…
今までが、ずっとそう証明し続けてきたのにっ;;
生きたいって思っちまった。
霊感が鋭くなって、感じ取って
なおさら恐怖が強まって、暴走して、自分に当たって…
自分を責めるのが当たり前だったのが
一気に変わっちまった;」