第14章 将来の時間
進路相談の時、ケイトが並ぶと
その中には中村が先にいて、声が聞こえてきた。
殺せんせー「中村さんは外交官ですか」
中村「ふふん」
君がここまで真面目な目標を持ってくれるとは…(しくしく」
中村「ははっ。
超しつれーい^^
私、こう見えても天才小学生って呼ばれてたんだよ?(微笑)
小1ん時に小6のテストでオール満点。
成績はいつも一ばーん。
けど、普通がよかった。
普通になりたかった。
私も、おバカな点取ったことで友達と盛り上がりたかった。
せっかく入った椚ヶ丘でバカばっかやってたら、本物のバカになっちゃってた。
失望しきった親の涙見て、失ったものの大切さに初めて気付いた…
けど
皆と一緒に、バカなこともしたかった。
このクラスで両方出来た。
ありがとね、殺せんせー(微笑」
殺せんせー「うんうん」
そうして外に出ると…
ケイト「うっ;ひっく;;ぐすっ;;;」
中村「ちょっ;何で泣いてんのよ?;(苦笑」
ケイト「だって;えっぐ;」
中村「…(くす)
気持ち解るって?」
ケイト「うっ;;(こくこく」
中村「そんなに泣かなくていいのに…
よしよし^^(ぽんぽん」頭撫でる
ケイト「だって;
同じ、だっ…から;;」ひっく、ぐすん
中村「!え」目を見開く
ケイト「だって……
私、こんな力…持ちたくなんかなかった;
普通がよかった。
両親さえいれば、普通に過ごせてさえいれば…
こんな力、何もいらなかった。
それ以外、何も…
何もっ
望まな、かったのにっ;;」
中村「あ…」
その時、脳裏によぎったのは…
ヒトと違う。普通と違う。
気付かぬまま無視してしまった。
他の人なら別に気にしないのに、自分だと
わざとだと言われて、決めつけられた。責められ続けた。
気に食わない。その認識のまま
ぶつかり合わないまま、知ろうともされないまま拒絶され続けてきた。
話そうともしなかったから、余計に溝は深くなった。壁も厚くなった。
でも、話した所で信じられなかったのが多かった。嘘だって決めつけられた。
かまってちゃんだか、好き勝手に言って
そういう認識を広められるばかりだった。
誰もぶつかろうともしない。勝手に決めつけてくる。
そんな社会の中、誰にも相談せず一人だけで十何年も耐え抜いてきた過去…