第14章 将来の時間
カルマ「あれ?何で渚くん泣いてんの?」
渚「な、泣いてないよ!;(ごしごし」
ホントに、感謝してる。
出会えただけで
一緒に、こうやって笑い合えるだけで…
なんか、とっても温かいから。
胸の中が、なんかほんわかして
優しくて、何でか涙が出そうになる。
何より、否定されたり差別されるはずだったそれを
とらわれずに、真っ直ぐにぶつかってきてくれた。
誰かに、陰口をたたかれることを恐れずに
それよりも、大切にしてくれたから。
僕等の感じる気持ちを最優先に考えてくれていた。
そんな人がいるって知れただけでも、実は十分で…
僕等にとっては
その当時、絶望し切ってた僕にとっては『何よりの光』だった。
大丈夫。
今度は、僕等が光になればいい。
誰もが、誰かの光になって
誰かの支えになっている。
温かくて優しい笑みに、どこか救われていた。
それが、当たり前のものみたいに
ケイトちゃんは、どんなことをしても
そのされた時は怒りながらでも
最後には、何だって許して
いつものように、笑いかけてくれた。
逆に、人が悪いことをしても
負担をかけることがあっても
全く気にもかけずに、いつものように接してくれた。
それが、何よりも嬉しかった。
きっと、された側の気持ちが解るからこそ
余計に、責めることができなかったのかもしれない。
でも、素直に嬉しかった。
無意識の内に、色んな何かを感じ取ったり
無意識の内に、人に対して恐怖を感じたり
他にも、色々あったと思う。
けれど…
ケイトちゃんには
それごと優しく包み込む度量があるって感じた。
鷹岡先生にしたって
あっちの父親のDVと重ねて
そういう環境で育ったんじゃって考えて、想いを馳せたり
祖父母を殺すだけでなく、自分を殺そうとしてきた死神にしたって
傷付けるのを自分だけにしてくれたことに感謝したり…
いくら傷付けてこられたからって
その先を望まず、見なくていいことにはならない。
殺せんせーが言ってた言葉の意味が、分かった気がした。
『ありたいままの自分を貫いてもいい』(第二部・67参照)
それは、卒業してからでも
笑っていられる、輝かしい未来を見据えてのものだったんだって…