第12章 手紙の時間
大好きだよ、Davie…
私もさ……
お前といれたこと、一緒に過ごせたこと…
何よりも、誇りに想ってるよ。
さようなら。
また、会おうね。
私の、初恋の人…(目を伏せながら涙を零し」
『世界の頂点へ!』
そう裏側に書きこまれた、ヘッドバンドを抱き締めた。
表側には
『全国制覇!世界一へ!』と書かれた、誕生日プレゼントにもらったものを…
それから…
頭を撃たれた場面が、今でも鮮明に思い浮かぶ。
押し倒されて、血が舞った。
Kate「…Davie?」
Davie「…」
何も言葉は返ってこず、力なく私に覆いかぶさったままだった。
Kate「Davie?」
不安な声と想いが、人が駆けつけるまで続いた。
不甲斐なさと、申し訳なさ…
色んな想い出と想いが交錯し、一杯になっていた。
律「すみません。まだ続きがあります」
そんな時、手紙の続きを読まれた。
Davieの母親から、ケイトにあてた手紙を
『あの時は、ひどいことを言ってごめんね。
実は…Davieは生きてるの』
ケイト「!え?」
『死んだって思ったわ。
当時の医師も、誰もが…
だって、息もしていない。
心臓だって動いていなかったんだもの。
でもね…昏睡状態になっただけらしいの。
私は、あなたにもう会わせたくなかった。
Davieが危険な思いをするのは、耐えられなかったから』
ざっざっ
そんな時、草の上を歩く『足音』がやけに響いてきた。
『でも、あの子にとっての一番の不幸は…
あなたと一緒に居れないことだから。
Davieのこと、よろしくお願いします。
この手紙が届く頃には、そっちにいるかもしれないけれど…』
そんな折、教室の前の草藪から一人の人が出てきた。
Davie「…(微笑」
ざっ
一つの足音と共に
窓際に居たケイトちゃんに差していた光に、影が差した。
Davie「…Hellow, Kate^^」
Kate「!!
…Really?…Really?(さわさわ」
それに私は信じられなくて、窓から手を伸ばして
その顔を触ったりつねったりして、確認した。
私が立っているのは教室の床、
Davieが立っているのは地面だった。