第2章 シルバーウィークの時間
渚「…ケイトちゃん、どういう風に視えてるんだろう」
カエデ「ん~。
色んな心が視えるってことは
それ以上に感じやすくなって、耳塞いだり?」
カルマ「そーいや、人混みに居ると
そういうのが山ほど感じられて、死にそうだって言ってたっけ。
耳がつんざくっていうか、内側から壊されそうになるって」
渚「ん~;
普通の人よりも大変そうっていうことしか…;(苦笑&汗」
木の下で左に居る二人を見つめながら、冷や汗交じりに苦笑した。
カルマくんのさらに左で、ケイトちゃんは寝ていて…
カルマ「そーいやさ。
あいつって、結局どうなったの?
ケイトが水以外食べれなくなった元凶」
カエデ「あー。
あの人、結局転校することになったらしいよ?」
渚「ああ;やっぱり合わなかったんだ;」
そう…
それもまた、雪村先生を見るよりも前のものだった。
実際、色んな人の聞こえないはずの声まで聞こえて苦しんでいたわけなんだけど…
それはまだ、シルバーウィークの前日だから。
それよりも、2週間ほど前…
夏休みに転入してきた人がいた。
それは、ケイトちゃんと同じ小学校に居たって言ってた人で…
本校舎の人は、昔のケイトちゃんのことを知りたくて聞いたらしい。
でも、そうしたら…
「あ?あのクズか!
見ててイライラしてくる奴だぜ。
人の邪魔ばっかして、笑ってるような奴だよ!」
その声に、ブチッてキレた人がいたらしくて…
「あいつのこと何にも知らねえくせに、そういうこと言うんじゃねえ!!!!」
一躍、「興味」の塊から、「最悪」に落ち込んだ。
「行こうぜ」
話しかけようとしても、でたらめにしか聞こえないそれを無視することに決めたらしい。
浅野くんにも同じことを言って、必死に同意を求めたらしいけれど
「ムカッ)…
あいつのことを勝手に言うのはやめてもらおうか。
あぁなった理由を聴いたこともないくせに、そういうことを言うな!
反吐が出る!!」
と怒り心頭に叫んでいたらしい;
寺坂くんに至っては、ぶち切れるを通り越して殺そうとまでしたらしいけど…;
殺せんせーが止めてくれたらしい。
それから後…
気に食わないってことで、イライラしていたのか
帰り道、僕ら三人で
ケイトちゃんと一緒に帰っていた時に、事件が起こった。