第11章 Davie(デイビィ)の時間
『私をここまで強くしてくれたのは、他でもない…
今までの日々と、色んな人たちとの出来事だ』と語った。
そして…
『あの世に届くように…
あの世に居る、大切な人たちが
安心して笑って、見ていられるように……
そして…
幸せを求めて、あの世で過ごせられるように(微笑』
真剣な眼差しと表情に、微笑と光が差した。
あの、闇ばかりだった時からすれば
十分過ぎるほど、光に満ち足りていたように感じた。
今でも、アメリカの人たちは覚えてくれているようで…
その劇的な試合は、今でも語り草となっている。
小さな身長に関わらず、ダンクを決めたり
フェイダウェイから
ボールにドライブ(激しい回転)をかけて、予測不能の動きをし
自身がそれを即座にとるや否や、相手の隙間から決めたり
『大学を卒業したんだから、NBA選手になれ!
お前なら、誰にもできなかったことをやれる!』って…
爺ちゃんから言われて…
今すぐにでも
12歳の誕生日にNBA選手にいれようとされた。
だけど、私は…
それよりも、チームワークというものが出来ないという
決定的な欠点が解っていた。
それまで、ずっと一人か
Davieとでしかやったことがなかった。
母さんとは、1 on 1で
父さんと母さんを相手に、戦ったこともあった。
でも、ほとんどが…
一人に近い形だった。
だから、余計に思った。
このままじゃ、ワンマンプレーしか出来ない選手になる。
そうしたら…
二人で嵐っていう約束自体は、無理だってことも。
そして…
今も、Davieが心配そうに寄り添い続けてくれていることも……
それらを薄々感じ取っていた…
だからこそ、日本に行くことに決めた。
あれから、数年…
白いヘッドバンドは、バスケをする時には必ずつけている。
約束を果たすため……
これからを生きるために、前に進むと決めた。
そのために、日本の中学校で学びたいと伝えると
旨を伝えると、爺ちゃんは快く了承してくれた。
だから私は今、ここにいる。
そうして、皆と出会えた。
そして…
大事なことをたくさん、一緒に教わったんだ。