第11章 Davie(デイビィ)の時間
怒られたこと、泣いたこと、
喧嘩したこと、
笑い合って、はしゃぎ回ったこと、
嬉しかったこと、楽しかったこと…
いっぱい…いっぱい……
数え切れないほどの想い出が、胸の中で蘇っては
ケイト「っ;(ぼろぼろ」
温めていってくれた。
どんな想い出でも、大切な人となら
全て…
全てが、大事な宝物なんだと自覚した。
『生きたい』
そして、一つの想いが胸に宿った。
『生きて、もっともっと強くなりたい』
もう二度と、失いたくない。
その想いが、より一層かきたてられた。
何より…祖父は、日本人嫌いなのに
その言葉を、覚えてくれたことが嬉しかった。
きっと…
Davieに日本語を教えていた時、そっと耳を傾けていたんだろう。
祖父「……We love you, Kate.
Don't forget(微笑」
そう言いながら
ベッドのすぐ傍に跪き、頭をそっと撫でながら微笑みかけ
去っていった。
ケイト「っ;;」
一人になった部屋に
涙が落ちる音と、鼻をすする音が響いていった。
たまらなく嬉しかったのを、今でも覚えてる。
私利私欲は、誰の中にも眠っている。
それでも…
それよりも、一番尊いのは……
人を純粋に想って、愛してくれる心だと思った。
この想いは、大事にとっておきたい。
いつか、闇に心を奪われて暴走しそうになった時…
押さえるために…
誰も、傷付かないで済ませるために。
この部屋の中にも、想い出はある。
Davieと一緒に泊まったことも
一緒に遊んだことも、プライベートビーチでワイワイ遊んだことも…
そんな中、バスケットボールに目を向けると
やっぱり辛かった。
でも、それ以上に大切な思い出が胸によぎってきた。
ある日、なかなかシュートが入らなくて
100を連続で超えた時に、私は泣き出していた。
私が4歳になったばかりの時だった。
ソフィア(母)「ケイト、バスケは嫌い?」
ケイト「え?(きょとん」
ソフィア「くす)私は、ケイトが嫌いなら別の遊びにするわ。
大切なのは、それが好きかどうか。
そうじゃなきゃ
長続きしないし、ずっと楽しんでいけないもの(なでなで」
それからの言葉は、今も胸に深く残っている。