第11章 Davie(デイビィ)の時間
もう、バスケも格闘術もしたくない。
父母との想い出の証…
そして、最期まで親友でい続けてくれた。
それでも、向かい合い続けていくことができたのは
Davieがいてくれたからだった。
一人じゃ、到底出来なかった。
たった一人の、親友との絆の証だった。
でもね、Davie…
私は、そんなことのために…
生きてきたんじゃないよ?
死なせたくて、一緒に居たんじゃないよ?
『あなたが殺したようなものよ!』
「そんな風に言うな!あの子は、息子の大事な親友で」
『それさえいなきゃ死ぬ事はなかったじゃない!!』
ねえ…
どうすれば、よかったのかな?
私が居れば、不幸になるって…
昔の時に言われた言葉、ホントだったのかな?(涙目)
いなきゃ、よかった。
私さえいなきゃ…誰も死なずに済んだんだ。
誰も、辛い思いをすることなんてなかったんだ;(涙)
『泣いて帰ってくるなら苦労しないわ!!』
ごめん…
Davieのdad,mom…
ごめん;
生きてて、ごめん;;
ごめんなさい;
その頃には既に、Davieと一緒に飛び級していて
中学までの勉強を終わらせていた。
過去のこととかまで気遣ってくれたのは、Davieだけだった。
その日も
いつものように、バスケをするつもりだった。
大雨だろうが、何だろうが
私たちは、一度でもバスケをしなかった時はなかった。
だって…
私たちにとってバスケは……
出会うきっかけとなった、大切なものだったから。
でも私は、その日…
バスケをすることが、できなかった。
ケイト「痛いよ…Davie…」
いつも、一緒にバスケをしているコートで
大雨に撃たれながら、ヘッドバンドを左手で握り締めていた。
拒絶されるばかりだったこの手が
全てを知った上で、初めて受け入れてくれた。
コートを見るだけで
一緒に笑い合って、共に頑張ってきた日々が脳内をよぎる。
失ってから、やっとわかった。
『お前を護るためなら、死んでもいい』
そう思える、大事な人だったことを…
その日…
初めて私は、バスケをしなかった。
それから私は
アメリカの家の自室に閉じこもる日々が続いた。