第11章 Davie(デイビィ)の時間
でも、それが現実になることはなかった。
だって……
Kate「Davie?」
Davie「…」
血を狙って、銃弾を撃ってきた軍人がいた。
Kate「…Davie?(ゆさゆさ)
What's wrong?
Why do you do?」
Davie「…」
そんな中、雨が降ってきた。
Kate「Davie…
Davie?」
Davie「…」
何度も揺すっても、ピクリとも動かなかった。
それどころか、返事さえも帰ってこなかった。
その間に、警察が押さえ込んで逮捕していた。
たまたま、近くを巡回中だったらしい。
Kate「Davie?
We'll get a cold.
Davie.
Davie?」
このままじゃ、風邪をひいてしまう。
そう思って
何度も声をかけても…
揺さぶっても…
返事も、反応も
返ってくることはなかった。
私に覆いかぶさって、庇ったDavieは…
そのまま、当たり所が悪く…還らぬ人となってしまった。
即死だった。
どこにも、居場所はなくなった。
でも、大切な絆だった。
好きで好きで、どうしようもなかった。
初めての、アメリカ人での
家族以外の理解者となってくれた。
ずっとずっと、一緒に居た。
来る日も来る日も
一緒に過ごさない日なんてなかったぐらいだった。
Davieが風邪をひいた時も
私が風邪をひいた時も
互いに、互いを看病してたりもした。
怪我をした時だって、同じだった。
ずっと、ずっと、ずっと…
楽しかった想い出ばかりが、胸をよぎる。
そんな中、私たちは救急車に運ばれていった。
私の頭はまだ、状況を理解するのについて行けてなくて…
でも、周囲は何も言わなかった。
大丈夫かって心配してくれた。
私のことを気遣ってくれていたのは、目に視えていた。
でも、Davieには…
何も、言ってくれなかったんだ。
『私は怪我なんてないよ。
それよりも、Davieを助けてよ』
何度言っても、それだけは叶えてくれなかった。
そして、死んだと解ったのは…
病院で、Davieの父母と一緒に居た時だった。