第10章 死神の時間
死神(何故、動揺しない?
何故、恐怖を感じない?
何故……
こんなに切迫した状況下でも、クラスメイトのことを思いやれる?)
ごぎゃ!!
ケイト「ごふっ!!」
死神「そのままおとなしく這いつくばって気を失っていろ。
どちらにしろ、間もなく終わりだ。
お前の運命もな」
そう、手に持ったリモコンのスイッチを押されそうになった直後
渚「ぞくっ!)!!
(なんか、やな予感がする)
やめて!!!」
その叫びもむなしく、押し込まれた。
と同時に
ばぢぢぢぢぢぢぢぢぢっぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢっぢぢ
凄まじい電撃の音が鳴り響いた。
ケイト「ぐっ。
うあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
たまらず叫び声をあげる中、後頭部を殴り付けられ…
死神「意外と元気そうで良かった(微笑)
利用するにしても、いいものが手に入ったよ」
そう気を失ってうなだれるケイトちゃんの前に立つ死神。
その笑みは、どこまでも黒く…凄惨なものだった。
それから私は、意識を失っていた。
その間に、決着はもうついていた。
殺せんせーがビッチ先生と死神の罠に引っかかったけど
烏間先生が生徒の命を優先してくれたことで、助かった。
そして、その手で死神から奪ったバラを
誕生日プレゼントとして、ビッチ先生に贈ったらしい。
『重いものは、背負ってやる』
その言葉を聴いた時、何か熱いものが込み上げそうになっていた。
といっても、こっちはこっちで…
意識が戻るや否や
渚「ケイトちゃん!よかった、目が覚め
!(カルマくん?」
ぎゅうっ!!!
カルマに、私は抱き締められた。
カルマ「震え)…心配、させるな」
少し青ざめた顔で、震えた手で
私を両腕の中に、震えた声と共に閉じ込めていた。
裾をも離すまいと握り締めながら…
ケイト「……(微笑)
はっはっはっ^^
私も、ちょっと怖かった(苦笑」
それに、私は笑った。
私も、少なからず恐怖を感じていた。
いつもの日常を失うことで味わう感覚…
それによる恐怖を、自覚していたから。