第10章 死神の時間
そうして目を覚ますと…
縛り付けられていた。
それから、殴られ続けた。
血を取れば、それが莫大な金額に代わるらしい。
それは、ひとなめするだけで
一瞬で力が湧き出て倍増し、自己治癒力も同様に上がるから。
ぼごっ!ばきっ!ずしゃ!
ごすっ!!ぐしゃっ!!
がしゃぁん!!
寺坂「てめえ!いい加減にしやがれゴラァ!!」
カルマ「やめといた方がいいよ」
寺坂「てめえにとっちゃどうでもいいのかよ(睨」
イトナ「違う。
いざという時のために、その怒りは取っておけ。
一方的な暴力に怒っているのは…お前だけじゃない」
檻に突進しながら
死神へ、怒りを露わに死神へ叫ぶ寺坂だったが
二人が、そう落ち着かせていた。
ビッチ「やり過ぎじゃない?」
死神「いいんだよ。
こいつの血は、利用できる。
血を吐き出させて」
どごっ!!
ケイト「ごふっ」
死神「吐き出させて」
ばぎっ!!
ケイト「げふっ、ごふっ!」
死神「…それで…
死ぬ最期の時まで、血を搾り切る。
それだけだ(微笑)
勝手に治る分、利用しがってがあるからね^^」
ケイト「……」
死神「…祖父母を殺したかたきに殴られる感想はどう?(にっ」
ケイト「…ほ……し…ね」
死神「ん?」
ケイト「他の人には、しないよね?」
死神「ああ、当たり前だろ^^
おびき出すための大事なエサなんだから
生きてないと意味がない。
まあ、君は特別だから別だけどね(微笑」
ケイト「…よかった(微笑」
ごずっ!!
死神「へえ、何がよかったって?
この絶望的な状況で、どうして?」
ケイト「……
ふっ(微笑)
しょうがねえだろ…思っちまったもんは。
不思議か?」
口の端から血を流しながら言うと…
死神「ふっ(微笑)
(笑っている?)
相変わらず、常軌を逸脱しているね。
本来なら…泣き叫んでもおかしくない怪我なのに……」
そう息を飲む中、真剣な瞳をして言葉が返ってきた。
挑発するかのように…
不敵な笑みを浮かべ、真っ直ぐな目で……
ケイト「こんな思いをするのが私で…
本当に、よかった(微笑」
死神「!!!」
そしてそれは、死神を動揺させるのに十分なものだった。