第10章 死神の時間
悪いのは
『その過去を、過ちを…
どれだけの時が過ぎようとも
いつまでも周囲へ押し付け
ずっと悪い人だと、認識付けようとしてくる人』?
『誰でもするであろう過ちを目につけ
自分には目もくれず、人にばかり目を向けてひどい奴だといい広め続ける人』?
『そういうことをしてから、罪悪感を感じて
もう二度と繰り返さないように
一人になって、距離を取り続けることを選んだ人』?
『今までにしてきた努力も一切見ようともせず
理解しようともせず、一方的に言い続けて言い広めて
過去の失敗や過ちを、常に視点において
嫌な思いをさせることをやっておいて、へらへら笑ってられる人』?
違う。
誰かが悪いんだって思うこと自体、ホントはしんどい。
そして…誰もが、嫌な思いをするしかなくなってしまうんだ。
どれほどの経緯があって、その道を取ったか。
一人でいることを選んだか。
人生に関わったことも
知ろうとしたこともなかたっとしても…
それを知りもしないまま
自分たちについては何も言わず、勝手に語られたとしても……
その、一時にとった行動だけで
『人』というものは、決められるものじゃない。
実際にぶつかり合わなきゃ、解らない部分がいっぱいある。
乱暴かつガサツなように見えて、根が優しい人もいる。
(竜馬)
寺坂「んだとゴラァ!!・・」
弱そうに見えて
ホントは強くて、優しくあろうとしてくれる人もいる。
(渚)
渚「まあまあ(苦笑)
悪気があって、言ったわけじゃないんだろうし^^;」
お化け屋敷で見た、怖がって泣いてたのに
どこまでも真っ直ぐで、すぐ助けにいこうとくれる人もいる。
(カエデ)
カエデ「あの時の写真消したよね!?;
怖くて泣いた奴!!;」
素行が不良に見えて、やってることも不良で
その実、とても優しくて
間違った道に入りそうになったら
すぐ真っ直ぐにぶつかって、引き戻そうとしてくれる人もいる。
(カルマ)
カルマ「俺の方が愛してるけどね^^♪」
皆、皆にしかないものがある。
それを解ることができたのは…
ここに来たから。
そして…
他でもない、皆と出会えたから。
それだけじゃない…
あっちでの毎日もまた、同様に在ったから
私は、今の私でいられたんだ。