第10章 死神の時間
そんな中…
カルマは、落ち着くまでずっと抱き締めてくれていた。
なぜか、悔しそうに顔を歪めながら。
落ち着いてから、一番に謝った。
別にいいって、と
意も介してないんじゃないかってほどの速さで、即答で言われた。
ケイト「っ…
それでも…;」
カルマ「そんなに気にしなくていいよ。
悪いのは…
そういう環境を作っておいて、何とも思わない奴らじゃん。
俺も、そこに居れば…(ぎり」
そう爪を噛んで、歯ぎしりしていた。
理由を聞くと…
「惚れた女が、こんなになるまでされたのに怒ってないとでも?
怒ってるよ。
殺しても、足りないほどね…(黒」
本心からだと悟るのに、そう時間はかからなかった。
でも私はやっぱり…
甘えるのは、苦手な方みたいだ。
だって…すがるってこと自体が、簡単にできないから。
大丈夫だって周りに言って、自分にも言い聞かせて
『^^』
そうしてさえいれば、きっと…
気にせずに、ちゃんと幸せそうに笑ってられるからって……
不快な思いをさせた事で、申し訳なく感じなくなれば
それこそ、人として終わりだ。
今、はっきりと解った。
過去にしたことは変わらない。
ひどいことをした、その時間は返ってこない。
でも、それを踏まえた上で行動することが大事なんだって。
それでも現在になってもなお
必死に、その過去をあらさがしして
その当時の出来事や話題をほじくり返して
それを周囲にぶつけて
そういうひどい奴だと言い聞かせようとする。
そんな連中の言葉を、私は真に受けていた。
ひどいんだって、自分でも自分をそう思っていた。
そう思うことで、殺そうとしていた。
そうすることで、邪魔になるまいとしていた。
それで幸せを感じていられるなら、と…
でも、違った。
そんなんじゃ、言い広めてる相手は幸せでも
自分や、自分を大事に想ってくれている人は
一番幸せになって欲しい人は
幸せを感じて、笑うことができないんだから…