第10章 死神の時間
遠い昔…
自分がまだ幼かった頃
ケイト『Grampa!^^//』
日本での家でバスケをして
自分の体よりも、多少大きいボールを両手に持って
満面の笑みを浮かべながら笑うと
母方のGrampaも笑って、笑い合っていた時間が蘇った。
何より…祖父は、日本人嫌いなのに
その言葉を、覚えてくれたことが嬉しかった。
祖父「……We love you, Kate.
Don't forget(微笑」
そう言いながら
ベッドのすぐ傍に跪き、頭をそっと撫でながら微笑みかけ
去っていった。
ケイト「っ;;」
たまらなく嬉しかったのを、今でも覚えてる。
私利私欲は、誰の中にも眠っている。
それでも…
それよりも、一番尊いのは……
人を純粋に想って、愛してくれる心だと思った。
この想いは、大事にとっておきたい。
いつか、闇に心を奪われて暴走しそうになった時…
押さえるために…
誰も、傷付かないで済ませるために。
それから私は、Davieとの約束を果たすために
NBAに入るために、死に物狂いで祖父に食らいついていった。
でも…
闇は、それだけじゃなかったんだ。
あっちでの闇もある。
こちらでは、それだけだった。
でも…あっちの方は、もっと深刻だった。
誰も、理解者がいないまま
過去のことを、ずっと言われ続けていた。
そういう、ひどい奴だと言われ続ける。
それが、大人になった今でも続いていた。
気を抜くことも、息もつけないほど…
いつまでも、いつまでも言われ続ける。
もう二度と苦しみを味あわせまいと、一人になった。
そこは、私と同じだった。
でも、違ったのは…
クラス全員が、理解者になってくれない事。
一緒に研究室に入った人たちは解ってくれている。
24になって友達が初めてできて、理解者ができて…
でも、そうでない人たちの間でずっと言われ続けてる。
そうでない時は、もっとひどかった。
そうなんだと、受け止められるだけ。
息苦しい、行き場のない思いがとめどなく溢れてくる。
溜め込んだ、八方ふさがりの憤り。
もう二度と、誰も傷付けたくない。
その想いとは裏腹に、たまりにたまった偏見に対する感情が爆発していた。
こちらでも、隠していたけど同様に…