第10章 死神の時間
意識を失ってから…
昔の夢を見た。
祖父母を殺された。
力を持つせいだと言われた。
お前だけが悪いと言われた。
ずっとののしられ続け、誰も否定する人もいなかった。
話し相手もいない。
相談する相手も
愚痴を零せる相手さえも、いなかった。
ずっと、気を抜けない。
家でも、学校でも…
失いたくない。それが強いほど……
もう二度と、誰もあんな思いは…
苦しみも、痛みも、辛さも…
それ以上は与えたくない。
関わることで与えるぐらいなら…
そう思ってたのに……
それで、距離を取って…
ずっと、一人のまま…
理解者なんていなくていい。
ただ、自分が関わることで嫌な思いをする人が…
少しでも、笑ってられれば……
そんな時、いじめが解決した。
竜馬が、怒鳴り込んできた。
そして、いじめっ子たちは転校していった。
追い出される形で…
それでも、辛い思いをさせた自分なんかには
学校に居場所はないと思った。
竜馬が、何度も迎えに来たけど…
部屋に、ずっと閉じこもり続けていた。
罪悪感ばかりだった。
それから数日後…
学校へ通わなくなってから誕生日を迎えて…
母さんに説得されて、祝われて…
やっと、外に出た。
アメリカへ行くことになっていたことで
竜馬の家族と、お別れパーティをした。
それで、いったん家に帰ることになっていた。
そんな時…父母を殺された。
突っ込んでこられて、泥酔した父の親友を言葉巧みに
いじめっ子共の親が、退学させられた腹いせに策略して…
祖父母に引き取られて、日本人学校でも同じだった。
居場所なんて、どこにもない。
そんな折だった。
「Hey!」
ケイト「?」
「Let's play together!」
ケイト「?New face?」
「頷く)Yeah!
I'm Davie!(微笑)
Are you?」
ケイト「…Kate」
自分を親指で指さしながら快活に笑いながら言い
尋ねてきた。
それは、とても明るくて眩しいものだった。
「Let's play together!
Basketball!!^^」
バスケットボールと太陽が、同時に瞬いた。