第9章 ビフォーアフターの時間
出会う前と、出会った後…
いじめられる前と、いじめられた後…
どちらがいいかはわからない。
どちらが望ましかったのかもわからない。
でも…
それらを含めた上で、前に進めたなら
その上で、自分らしさに組み込むことができれば
きっと、嬉しいものに繋がるって思ったんだ(微笑)
そんな中、私は微笑みながらテストをといていた。
渚(中間テストの結果は惨敗。
E組の大半はトップ圏内からはじき出された)
渚&岡島&杉野『はあ~(溜息』
荒木「拍子抜けだったなあ」
『!』
小山「ぎゃっしゃっしゃっしゃ」
荒木「やっぱり前回のはまぐれだったようだね」
瀬尾「棒倒しでつぶすまでもなかったな」
『くっ』
小山「言葉も出ないねえ。まあ当然か」
榊原「この学校では成績が全て。
下の者は上に対して発言権はないからねえ」
微笑みながら口々に言いだす人達に
カルマ「へぇ~。
じゃああんたらは俺らに何も言えないわけね」
殺せんせー(E組の中に
二人だけ、2週間のハンディをものともしない生徒がいる。
夏祭りの日、自宅にあった大量の予習の跡。
先生は見逃しませんでしたよ(微笑))
カルマ「まあ、どうせうちの担任は
「1位じゃないから駄目ですね」とかぬかすんだろうけど」
渚「カルマくん…」
ケイト「そういや私にも勝ててないよね、一学期から(にや」
カルマ「むっ)絶対負かす」
総合1位、ケイト、学秀
総合3位、カルマ
それ以外は、私たちにとっては全て下だった。
=口出しする権利無し。
カルマ「気付いてないの?
今回本気でやったの、俺とケイトだけだよ?
他の皆は、お前らのために手加減してた。
お前らも毎回負けてちゃ立場がないだろうからって」
荒木「なにぃ!!」
カルマ「でも、次は皆も容赦しない(微笑)
行こうぜ」
そう微笑みながら、歩いて行った。
渚(カルマ君、僕らの事フォローしてくれてたんだ)
それについて行く中、そんな思いが伝わってきた。
俺ではなく、『俺等』
自分だけでなく、いろんな視点から見ることができるようになっているのを
ただ、見ているだけで伝わって来ていた。
段々大人になっていくそれを見て
思わず微笑みながら、隣を歩く中…
私は呟いた。