第9章 ビフォーアフターの時間
そして…
『俺も大人げなかったかな』と言うカルマに
カルマ「!え…」
私は抱き着いた。
ぎゅううう
木を背に押し付けられる中、なぜか顔が赤らんでいた。
カルマ「!//(胸、引っ付いて)
ケイト、とりあえず離れ
ケイト「やだ」
カルマ「ちょっと、聴いて
ケイト「聞かない!!」
カルマ「なんで
ケイト「どっちも勝手じゃんか!!」
カルマ「は!?意味が解んな
ケイト「死ぬなんて言うな!!!
…そりゃ寿命が尽きたら
あっちのが死んだら伝えられなくなるけど
っていうか、お前を置いて死ねるか!!
あっちの方はどうでもいいよ!
死を望む人の方がよっぽど多い!!
だから、あっちは死のうが心底どうでもいい!!
けど、こっちのカルマたちの方が大事なんだよ。私にとっては!」
カルマ「カチン)っ!
俺の方はどっちも大事で
ケイト「知るかよ、んな事!!
『死ねば嬉しいんだろ?
笑ったら気持ち悪いんだろ?
私さえ居なくなれば、不幸じゃなくなるんだろ?
どんな事象よりも何よりも
私が死んだり苦しんだり傷付いて殺された方が嬉しいんだろ!?』
それが、あっちで学んだことだ!!
あっちで暮らすってのは…
私にとっちゃ生き地獄の業火の中で
身を護る服さえも何もないような状況=裸で生き抜けって言われるようなもんだ。
あんな汚れ切った世界に、ものに何の価値がある?
あっちで喜びを感じるには
自分が傷付けられて、殺されかけて死ぬ事ぐらいだ。
それで笑ってる相手さえ見れば、私は笑ってられる。
何でか解んないけど、それが嬉しくて仕方ないんだ。
後遺症だかなんだか知らないけどさあ…
それが嬉しくてたまらないんだよ。
何でかなあ、ホント^^」
そう笑う中、カルマは冷や汗を流していた。
ケイト「でも…
そうじゃなかったんだ。
お前たちに出会わなければ
そのおかしさに、気付くこともなかった。
もう、一人じゃない。
漠然としたものでいい。
深く考え込み過ぎないでいい。
ありたい、『自分』ってものを貫けばいいんだって…
ここで一年って時を過ごして
皆と一緒に、色んなものを乗り越えて
やっと、解った気がする。