第9章 ビフォーアフターの時間
ケイト「ありがとう」
カルマ「礼を言うのはこっちの方だって」
ぼす
そう微笑みながら、私の左隣に座り出した。
カルマ「第一さあ。
俺は俺で
ケイトに会わなかったら、こんなに幸せじゃなかったよ」
そう言いながら
左手を右手で取って、笑いかけてきた。
カルマ「絶対、離さないから(微笑」
ケイト「!…(微笑)
バカ^^;」
そう目を伏せながら笑って
そんな中、涙だけが頬を伝って落ちていった。
カルマ「そうだねえ。
もしもバカだって言うなら、さしずめ『ケイトバカ』かな。
俺は…
ケイトが今笑って居られれば、それでいいよ。
っていっても、そう言われるのも初めてなんじゃね?」
そう笑いかけてくるカルマに
私は、笑うことも出来ず
涙を零しながら
その左手を握ってくれた右手を握り返し、握り締めながら
頷くしか出来なかった。
カルマ「苦笑)……」
それにカルマは苦笑交じりに、溜息を一つつき
ぐいっ
私の左手ごと、右手で引っ張って引き寄せ
ケイト「!え」
カルマ「よっと」
それでカルマの方へ倒れ込む私を
左手で受け止め、右腕を回してしっかりと抱き締めてきた。
そして
私の左手を再び、右手で掴みながら…
カルマ「よしよし(ぽんぽん」
両目を瞑ったまま、頭を左手で優しく撫でだした。
ケイト「?…」
あまりの出来事の速さに、頭がついて行かない中
カルマ「今は、そんな奴等の目なんてない。
今いるのは…
ケイトの幸せを願う人たちだけだよ?
こんな時こそ、吐き出したかったことも出来事も
全部ぶつけないでどうすんの?
どうするのも、自由だよ?
俺等は
そういうのを咎めようなんて思わないから^^」
そういうカルマに…
不思議と、涙がにじんでいた。
ケイト「でも…カルマだけに負担が(涙目」
カルマ「いらないから、そういうの」
ケイト「!(ゾクッ」
見下ろしながら睨むかのようなそれに、私は寒気を覚えた。
カルマ「そういう心配する感情なんて要らない。
それよりも、自分を大事にして前に進めば?
決めたんでしょ?
それでも、どれだけ辛くても…って奴」
ケイト「!!」
それに、思わずカルマを見上げると
驚きの表情を浮かべる私を見てから
笑みを浮かべて、ふっと笑いかけてくれた。