第9章 ビフォーアフターの時間
それでも結局の所…
否定することも拒絶することも…
ましてや、そうしてくる人を貶めて高らかに言うことは出来なかった。
そういえば、いじめっ子と同じになる。
それが嫌だったのもあるが
正直の所、同じ思いを得る人を
少しでも増やしたくないというものが一番でもあった。
カルマ「そんなの矛盾してるじゃん。
ケイトは人に相談しちゃダメなのに
いじめっ子たちは人に相談してるってことはさあ。
いじめっ子たちがケイトに言った
『チクってる』ってことと、同じにならない?
人はやってもダメで、自分だけはいいっていう人なんだ」
ケイト「そういうのが
小さい時に身をもって味わい続けた、当たり前という名の常識でした;
というか日常だったから慣れるしかなかった;」
冷や汗交じりに言う中、憮然とした表情で
気に食わないと言ってくるカルマに、少しだけ嬉しく感じていた。
ケイト「…
私がおかしかったわけじゃなかったんだ^^//」
カルマ「むしろ、その笑顔を奪っておいて
それを一年も続けといて、謝罪一つで済まそうとするって何様?
しかも
ケイトから見て見ず知らずの他人で応答しなかったからって
謝罪しろって強要してくる人って、大人になってもいるの?
狂った精神も人格も
相手の事情やそういうのは何も考えずに
人にだけ押し付けてさえいればいいって思う人たちっているんだねえ(微笑」
ケイト「世の中、色んな人がいるから;
誰かを庇って死ぬなんて人も
お前みたいに、誰かの代わりに怒ってくれる人も…
世の中から見れば
割合的に、粒子以下ぐらいしかいないんだよ」
そういう中
カルマ「それに関しては同意見かな。
あのタコみたいな人だって、相当少ないし」
ケイト「そうだねえ(うんうん)
…考えたことなかったな。
こういう日々を得ることも
一緒に、こうやって過ごすことも…
こっちじゃ
どっちにしろ過去は悲惨なものだけどさあ…
出会えてよかったって思うよ。
そうじゃなきゃ…
きっと、私は『自分らしさ』ってのを取り戻す事は出来なかった。
『居てもいいんだ』って解ることもなかった。
『居たい』って思ってもいいってことさえもさ(微笑」
そう言いながら
木の下で、晴れ渡った青空を見上げていた。