第2章 シルバーウィークの時間
ケイトちゃんは、川に落ちてる石を拾って投げて
カルマ「ははっ!」
カルマくんもまた拾って投げて
ケイトちゃんの投げた石に当たるように、投げていた。
そうして、時は過ぎていく。
静かな、夜へと
ケイト「…静かだな」
その声が響く中
ケイトちゃんに敷いてもらったシートの上で
毛布を貸してもらって、揃って横になっていた。
星空を見つめながら…
天候は晴れ続きになるらしくて、安心した。
カルマ「………
何があったかは、聴かないよ」
ケイト「え?」
そんな時、カルマくんが口火を切った。
カルマ「聴いて欲しくなさそうだから。そういうの」
ケイト「!!」
カルマ「だから、話したくなるその時まで待つよ」
ケイト「……話すよ、色々。
そのために、わざわざついてきたんだろ?」
『……』
その言葉に、僕等は黙り込んだ。
そう言うのは、流石に言えないままだったから…
でも、ケイトちゃんは無言の肯定だって解ってて
ケイト「…私さ、紛争地帯に居た時
色んな理不尽がまかり通る場所に居たんだ。
悪いことを人になすり付けたり、それこそ色々さ…」
渚「!!」
ケイト「それだけじゃない。
いじめられていた時だって、色々とあった。
…手柄を横取りしたって奴だって言われた。
その当時、ごみが一か所に少し集められててさ。
「集めたのか?」って聴かれて
「うん、集めたよ」ってまとめて集めてたんだ。
少し不自然に集まってたけど
集めたってこと自体は変わらないし…まあいっか。
って思ってて、説明しなかったんだ。
そしたら、その少し集めてた人が名乗り出てきて
途端に悪者扱い」
カエデ「あとからでも説明すればよかったんじゃ」
ケイト「言ったよ、一回。
言ったけど、聞かなかったんだ。
聴く耳持たないまま、そういう奴だってなったんだ。
テレパシーでも無意識の内に使ってたみたいで
解ってても解ってない振りされて、好き勝手に言われ続けた。
学校でも世の中でも同じさ…
血が血を見るこの世界じゃ、理不尽しかまかり通らない。
陰でいいことしてようが
力になろうと、助けになろうとしていようが
全部無視だ。
正義なんて、全部が全部通じるわけじゃない。
それでも、捨てちゃいけないものだって思ってる」