第8章 リーダーの時間
『好意でやったとしても
悪意として考えれば、簡単にその印象は覆る。
『嫌味かよ』
そう言われたことだって、多いでしょ?
どれだけ善意で必死に動いたとしても
逆にうっとおしいと思って
距離を取ろうとしたり、消そうとする人だっている。
そういうものから護りたいから
僕は、この道を選んだんだよ?
ずっと…
君みたいな人を、待ってたんだから』
そういう声は、とても純粋だった。
ケイト「そっか…(微笑)
ありがとな^^」
『君が嬉しいと、僕も嬉しい^^』
その、子供のような弾む声を聴いて
それを私も思わず嬉しく感じていた。
ケイト「でも純粋だからってやっちゃいけないこともあるんだぞ?
たとえ人のためであっても殺しは良くない。OK?」
ぎぎぎぎぎ
現れたスライムのような顔を
私は左右から、左手と右手でつねって外側へ引っ張った。
Bleachに出てきた
力を見せて、人を殺したバウントと同じ外見で…。
純粋過ぎて危ういのは、そっちも同じだったから…
それは、石板の言った通りで
悪いように取られれば、誰もが悪く感じられる。
それは、誰もが同じなんだってことを解った気がした。
『痛い~;』
ケイト「姉上はもっと痛かったんだから。
精神じゃない分、色んな所が同時に…
だから、お願いだから…
お前が悪い人だって思われると、私はもっと痛いよ。
だから…
もう二度と、誰も殺さないで;(涙目」
不思議と、もう一人の自分を見ている気になっていた。
同じことをやっていた可能性が、ないわけじゃなかったから…
『……ごめんなさい(しゅん』
そういうと
しゅんっと沈むそれに、そっと頷いた。
カルマ「で…どうする?
名前無いと不便じゃね?(微笑」
ケイト「そうだなあ…
石板だから……(う~ん」
顎に手を当てながら考えてると、一つの名が浮かんだ。
ケイト「セキ」
『ん?』
ケイト「セキ、よろしくな^^」
セキ『ぱあ)よろしく^^』
ナイフから出て来て姿を見せていた
透明なはずの意思を持ったそれが、満面の笑みを浮かべた気がした。
これが…
後に命の恩人ともなるであろう、『セキ』との初対面だった。
(5月13日AM6:48~AM7:36、157~160(4ページ)更新)