第2章 シルバーウィークの時間
黒いモヤが視えるって聴かされた時…
それは、負の感情のようなものかな?と思ってたけれど
利用しようとしてくる何か…
害意や悪意や怒気や殺意や憎しみなどまで入っていた。
聞こえるのもまた、同様で…
僕等が心の中で想ってることや考えてることも、声として聞こえていた。
と同時に、苦しい想い出もまた伝わってきて……
「聴いた?言われなくても解るって」
「気味悪い」
「関わらない方がいいよ」
「無視された」
「話しかけたらダメだよ。
一緒に居たら狙われるし、それに…
周りがあぁだもんねえ。陰で言ってるし。
あいつが陰で何話してるかなんてわからないし」
「話し相手もいないのに?」
「何もいない場所で話してるじゃない。
楽しかった出来事だけみたいだったけど」
「興味本位で話しかけてみたけど両親殺されたって」
「嘘なんじゃない?」
「嘘でしょ、絶対」
「平気で嘘付ける奴なんだよ、きっと!」
陰口の中、高らかに笑う一人の声が響く
傘を差して、遠巻きに見て…
それでいながら、好き勝手に言われ続けていた。
それに対して、昔のケイトちゃんは
歯ぎしりしながらも、何も言い返さないまま…
傘もささずに
どこか、壁を作っているような感じだった。
理解されるわけがない…
そう、決めつけるしかなかったのが
はっきりと、見て取れた…
雨に打たれる中、関わろうとしない人たち
その心中の思いや、実際に響く声が同時に聞こえてくる。
騒音よりも上の、耳をふさいでもすり抜けてくるそれらは…
到底防げるようなものなんかじゃなくて
ケイト「うああああああああああああああああああ!!!!!;;」
必死に、それらから逃れようとしているようにも見えた。
ケイト「視えない;聞こえない;;感じないいいいいい;;」
叫びながら言うケイトちゃんの声は、とても悲痛なもので…
聴いているこっちまで、辛く感じてこられた。
自分に言い聞かせようとするかのように叫び続けていて…
僕等の心配する声まで、全部感じ取っていて…
それでも、騒音以上のそれらから
痛みで感じることで減らそうと、必死に暴れ続けて…
そうして…
数時間後に
疲れ果てたのか、そのまま眠りについた。
それを見た殺せんせーが言った。