第8章 リーダーの時間
カルマ「…ってことは、気に入らなかったら消されるんじゃ?
石板軽く持ってるけど」
ケイト「…一族の跡目に選ばれたもんだけが触れられるんだよ。
でも、私は…
この血を受け継ぎたくないってのが本音かな。
誰かを殺しちまうものなら、いっそのことって…」
そう呟いた直後
その石板が突如としてナイフと一体化した。
『!!!』
ケイト「何で神器と!!」
カルマ「…光ってる」
ケイト「!…
そっか……
ありがとう(苦笑」
カルマ「…何か言ってるの?」
ケイト「……
力になるってさ。
助けたいって…
今までの記憶からも
お前以上の心優しいものはいないからって。
…私は、優しくなんかない。
それよりも、悩んでばっかの方が多いのに」
カルマ「ははっ^^
人のために悩めるだけ、十分いい方だと思うけど?
第一さあ…
人なんて、自分勝手な生き物なんだから
そこまで気にしないのが当たり前なのに
何かある度に、何か力になろうとしてばっかじゃん。
そりゃまあ、欠点なんて誰もあるけど…
それを帳消しにできるぐらい凄いんだから、自信持てば?
絶対大丈夫だって」
ケイト「…だといいんだけど…
触れた人、消さないでね?」
『お心のままに(キラン』
その言葉に、ナイフは光った。
一度であれば、生き返らせることが可能。
それが
その神器と一体化したことで発生した、新たな能力となった。
しかし、その際にはナイフ自体まで一体化してしまい
参式の『神の力』も
身体に現れていた『力を与える能力』もなくなるとのこと。
一応それも、カルマにだけ伝えておいた。
律も聞いていたみたいだけど、黙ったままでいてくれた。
石板自体に意思が宿っていたのは、もう言うまでもない。
持ち主に私を選んだ理由は、至極単純なものだった。
純粋無垢な、始祖神や
始祖神が見初めた、妻に似ていた。
そして、一族の誰とも違う
どんな時であっても
無意識の内に、優しくあろうとする。
自分さえも殺すほどの性質を持ち、危ういほどに…
ありとあらゆる世界の中でも
非常に少なく、価値があるものと判断したとのことだった。