第8章 リーダーの時間
ケイト「姉上は、身体的に母に似てしまったらしい。
血によって引き継がれる『例の力』までは受け継げなかった。
血を飲まされて、力を得ることもある。
でも…
普通の人が飲めば、間違いなく死ぬ。
たとえ、婚姻者で
護りたいものであったとしてもだ。
それぐらい、強力過ぎるってことでな」
カルマ「ってことは
さしずめ、この石板は一族の血で固められたものってことかな?
それも…
一族のものでもなくて、始祖神の」
ケイト「そうだな。
始祖神として復活する際、肉体は要らないものになる。
別に食べなくても生きていけるし
何でも作り出せるし、子供や体ぐらい無から生み出せるしな。
だからまあ…
一族同士で起こるであろう、跡目争いをなくすために
誰もが公平にっていう条件のつもりで出したんだろう。
これなら、誰も傷つかずに決めることができる。
触れるだけで拒絶を受けるか受けないかってだけだし」
カルマ「?
なら、さらされて死んだっていうのはどういう意味?」
ケイト「…
石板に潜む『血の力』が、拒絶したってことだよ。
触れれば伝わってきたから解った。
っていうかお前手で触れてないよな!?;」
カルマ「触れてない触れてない^^」
ケイト「っていうか血を出したのか!?垂れるほど!!;」
カルマ「ははっ^^
今更?
ついさっきまでガチで話してたのに^^♪」
ケイト「あれ!?;傷ない!!;」
カルマ「そりゃそーだよ。血のりだもん^^♪」
ケイト「それならそうと言わんかい!!!;」
カルマ「いずれドッキリで使おうかと思ってたんだあ^^
死んだふりw(にや」
ケイト「やめてくれ!!;」
小さなボトルと共に血のりを垂らして
ナイフにつけ、首を切って死んだふりをしようとするカルマに
全力でツッコんだ。
ケイト「おっほぉん。
と、とりあえず;
さらされて死んだってのは…
一族の血が、姉上を拒絶しちまったんだろう。
護り抜いてくれって願いを込めたとしてもさ…
でも、血には遺志が宿っている。
一族の全員に存在した、数千年に渡る記憶も。
だから…
私の姉上も死んで
もう一人の姉上も…お腹の中で死んだんだって」
洞窟に、声が反響した。
ぽとっ
洞窟の天井から、水が落ちる中
それは石板にも降りかかり、蒸発した。