イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第17章 二人と過ごす誕生日~レオ&アラン編~
―――1月23日――…
今日はアランとレオ二人の誕生日。私は朝から二人への誕生日プレゼントとして、それぞれにケーキを焼いていた。
「…よし、できた!」
私は目の前にアランへあげるためのガトーショコラとワイン、レオへは木苺のショートケーキと葡萄ジュースを並べていた
「あとはこれを食堂へ運ばなきゃ」
そう思い、ワゴンへとガトーショコラを持って乗せようとした私は、お皿の端についていたチョコレートで手を滑らせてしまった
「あっ…!!」
気付いた時には既に遅く、床には無残に潰れたガトーショコラが散らばっていた
「どうしよう…今からもう一度作る時間はないし…」
色々と考えを巡らせるも、いい案は浮かばず、私はもう1つの木苺のケーキを切り分けて三人で食べるために食堂へと向かった
―――――……
「…うん、これで大丈夫かな…?」
左側は葡萄ジュースを入れたグラスを置いたレオの席、右側はワインを入れたグラスを置いたアランの席を用意し、真ん中へは私が座る席を用意した
「早速、二人を呼びに行こう!」
私はワンピースを翻しながら、まずは執務室へと向かった
―――コン、コンッ――…
「レオ、少しいい?」
レオ「ユヅキちゃん?どうぞ」
扉を開くと、そこには難しそうな本を読むレオの姿があった
「…あっ、ごめんなさい。もしかして仕事中だった…?」
レオ「ううん、もう終わったから大丈夫だよ。それより俺に何か用?」
「うん、実はレオに渡したい物があって…良ければ少しついて来てくれる?」
レオ「もちろん、ユヅキちゃんの頼みなら喜んで」
そう言って優しく微笑んだレオの手を取りながら、私達は食堂へと向かった。