イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第8章 二人のハロウィン~アルバート編~
―――今日は10月31日――…
公務のため、シュタインを訪れていた私は庭へ出て星空を眺めていた
(綺麗……そういえば今日はハロウィンだったんだよね…)
(ユーリが誰にも悪戯されないようにってお菓子をくれたけど、結局そんな心配はなかったな…)
そう思いながらポケットに入っているキャンディを掌にのせて、それを見つめながら小さく溜め息をついた
??「…ウィスタリアのプリンセスが…こんなところで、何をしているのですか」
「…っ!!」
驚いて振り向くと、そこにはアルバートがいた
「アルバート…実は、なかなか眠れなくて星空を眺めていたんです」
そう言って私が微笑むと、アルバートは眉を寄せた
アルバート「…全く、プリンセスがこんな時間に出歩くとは……では、行きますよ」
そう言ってスタスタと歩いて行くアルバートを、私はぼんやりと見つめていた
アルバート「…何をしているのですか、早くして下さい」
そう言って私を見下ろしたアルバートは大きな溜め息をついた
「え…?部屋まで送ってくれるんですか?」
そう言って私が首を傾げると、ますます眉を寄せたアルバートが素っ気なく応えた
アルバート「貴女に何かあって、あいつに文句を言われると面倒ですからね。…まぁこんなことするのは、私の本意ではありませんが。」
「あいつ…?」
アルバート「…ユーリのことです」
それだけ応えると、アルバートは私の部屋まで送ってくれた
――――――…
「アルバート、わざわざ部屋まで送っていただきありがとうございました」
そう言って私が微笑むと、アルバートは少し頬を染めた
アルバート「悪いと思うなら、こんな時間にプリンセスが脱走なんてしないで下さい」
「…本当にごめんなさい」
そう言って私がシュンとして首を項垂れると、少し眉を寄せたアルバートが私をじっと見つめた