イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第6章 二人のハロウィン~ロベール編~
ロベール「ハロウィンを覚えていたなら、ユヅキちゃんになら言っても大丈夫かな…」
「ロベールさん…?」
私が首を傾げると、ふっと笑みを浮かべたロベールさんが私を見つめながらそっと呟いた
ロベール「トリック・オア・トリート…お菓子を貰えるかな?ユヅキちゃん」
「えっ…、…ごめんなさい、私、ランプをロベールさんに渡すことで頭がいっぱいで、お菓子を持っていなくて…」
そう言って私が眉を下げると、ロベールさんは優しく私の頭を撫でてくれた
ロベール「そっか…そういうところ、ユヅキちゃんは変わらないね。…でもそれなら何か悪戯をしなきゃね」
そう言ってしばらく考え込んだ後、ロベールさんは何かを思い付いたらしく私をじっと見つめた
ロベール「…プリンセスが相手でも、これぐらいの悪戯なら許されるかな」
「え…?」
思わず私がロベールさんを見上げると、優しくロベールさんは私の額へとキスを落とした
「…っ!!ロベールさん…!?」
私が驚いて目を見開くと、優しい笑みを浮かべたロベールさんは少し頬を染めた
ロベール「…前にも言ったけど、こんな時間に男の部屋へ来ちゃダメだよ。ユヅキちゃんは綺麗だから、俺と違ってキスだけじゃ帰してくれない人もいるだろうしね」
そう言ってロベールさんは、私の手を優しく引いて部屋の前まで送ってくれた
―――――…
「あの…わざわざ送っていただき、ありがとうございました」
そう言って私が頭を下げると、ロベールさんは優しく微笑んでくれた
ロベール「どういたしまして、それじゃあ…お休みなさい、プリンセス」
ロベール「それから、また昼間にでもユヅキちゃんさえ良ければ、いつでもおいで。悪戯したお詫びに、今度は君の好きな絵を描いてあげるよ」
そう言って去っていくロベールさんを見送った後、高鳴る鼓動を隠すように私は部屋の中へと入っていった