イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第3章 二人のハロウィン~ジル編~
―――バタン―…
部屋に着くなり、少し荒っぽく扉を閉めたジルに、私は突然ベットへと押し倒された
「ジル…?一体、どうし…」
ジル「ユヅキ、レオに何をあげていたのですか?」
「…?えっと、今日はハロウィンなのでお世話になってる皆さんにお菓子を配っていたのですが…」
ジル「…そうですか」
そう言って切なげに眉を寄せるジルを見つめて、私は笑顔で応えた
「あっ、ちゃんとジルの分もありますよ!今、渡しますね」
そう言って私は起き上がろうとしたけれど、それを阻むように腕をひいてジルにまた押し倒されてしまった
「えっと…ジル…?」
私が困惑しながらジルを見つめると、籠につけていた大きめのリボンをそっとジルがほどいた
(…?何をする気なんだろう…)
そう思ってぼんやりしていると、ジルは妖艶な笑みを浮かべて私の耳元でそっと囁いた
ジル「…ユヅキ、トリック・オア・トリート」
「…えっと、籠の中にならありますが今、私はお菓子を持っていなくて…」
そう少し眉を下げて私が応えると、ジルは少し意地悪な笑みを浮かべながら私の唇に優しく触れるだけのキスをした
ジル「では、貴女には私からのお仕置き…ではなく、悪戯を受けていただきますね」
そう言ってジルは先程、籠から取ったリボンを私の腕へと巻き付けた
「…っ!!ジル、どうして私を拘束なんて…」
ジル「…全く、貴女という人は本当に男心をわかっていませんね」
「それは…どういう…?」
ジル「…っ、私を嫉妬させた貴女が悪いんですよ。今日は貴女に、たっぷり男心について教えて差し上げますよ」
そう言ってジルは私の胸元へと強く口づけをした
「んっ…、ダメです、ジル…そんな痕をつけちゃ…」
ジル「何故ですか?…こんなところを見るのは私だけでしょう?違いますか、ユヅキ」
「それは…そうですが…」
私が頬を染めて俯くと、ジルは意地悪な笑みを浮かべて私の耳元に甘い声で囁いた
ジル「それにこれから、もっとユヅキの身体中に私の痕をつけるから覚悟しててくださいね…?」
そうして私は夕食の時間まで、ずっとジルに身も心も縛られたのだった