• テキストサイズ

【イケメン戦国】紫陽花物語

第14章 温泉旅行へ*1日目夜編*




皆さん優しいです、と嬉しそうに笑う三成に、それはたぶん少し違うと思うけれど。それ以上に、三成の気遣いが桜の心を淡く満たしていく。



「ありがとう、三成君。こんなに綺麗な星が見られて、すごく嬉しい」

「いえ。私も、桜様の美しい横顔を拝見できて、とても得した気分です」



あくまでも悪気無く、嬉しそうに微笑する三成。美しい、なんて言われて顔に熱が集まる。灯りを消していて助かった。



「…さて、お体が冷えてしまいますね。そろそろ中へ入りましょうか」

「そうだね」

「私はこのまま書庫へ向かいますが…桜様はどうされますか」

「部屋に戻って、寝ようかな」



三成にならって立ち上がりながら答えた。今の穏やかな気分なら、きっとゆっくり眠れる。



「そうですか。では、お部屋までお送りしますね」

「大丈夫だよ、すぐそこだから」

「いけません。何があるか、分かりませんので」



どこか真剣な三成の雰囲気に、頷くしかない桜。素直に送ってもらって、部屋の前で別れた。

寝間着に再び着替えて、横になる。間もなく訪れた心地よいまどろみに身を任せて、そのまま眠りについた。
/ 399ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp