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【イケメン幕末】春を呼ぶ嵐のように(R18)

第2章 名前を呼んで(篠宮END)


「どうして…?」

恭の方を見ることが出来ずに問えば、耳元で恭がくすりと笑う。

「先輩、顔も耳も真っ赤」

「だ、だって…」

可愛い後輩、としか思っていなかったのに。
急にこんなことするから。
先が続かずに、は口ごもる。

「ね、こっち向いて」

「やだ…」

少し体を離して、の顔をのぞき込むようにしてきた恭に見られまいと、はさらに反対の方へ顔を向ける。

「離して…」

「…こっち向いてくれたら」

「さっきの答えは…?」

「こっち、向いてくれたらね」

恭は、こんなに意地悪だったっけ。

は、既に破裂しそうなほどの音を立てている心臓の鼓動を感じながら、顔だけをゆっくりと恭の方へ向けた。
恭の顔が、鼻が触れ合うほど近くにあって、驚いて体を離そうと試みるけれど、恭の腕がそれを許してくれない。

「先輩…」

「し… っん…!」

恭を呼ぼうとするの唇が、恭の唇で塞がれる。
身体を離そうともがくけれど、恭の掌がの頭を抑えて。
もがいた拍子に離れた唇は、再度より深く口づけられた。

「っ…んん…」

名残を惜しむように、ゆっくりと恭の唇が離れていく。

「な…んで…」

「先輩が…可愛くて。ずっと、こうしたかった…」
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