第2章 名前を呼んで(篠宮END)
いつもとは違う、熱っぽい瞳で見つめられて、は思わず俯いてしまう。
身体中の熱が顔に集まっているのではないかと思うほどに、熱い。
「先輩、俺のこと…好き?」
「そんな…わ、かんない…」
恭の低い声が耳元で聞こえて、顔を上げることができない。
掠れた声でやっとそう答えると、恭の手がの顎にかかり、くいと上を向かされる。
「あっ…」
「…俺、独占欲…あるみたい」
恭がそう言ってニッと笑うけれど、それはいつもより数段色気があって。でもその笑顔は、くしゃりと苦しそうに歪む。
「先輩が他の男といるとこ見るの、もう我慢できねー…」
「し、のみや…くん…」
「だから先輩…俺の物になって」
そう言うと、恭はの返事を待たず、噛みつくように口づけた。
「んぅ… んっ…」
余裕のない、貪るようなキスに、は身体の奥がしびれるような感覚に襲われる。
何度めか分からない口づけを終えて、はぼやけた視界のまま肩で息をする。
「舌…出して」
恭の要求に応えて、おずおずと舌を出せば、再び口づけてきた恭の舌が絡んで、の口内を蹂躙していく。
ぴちゃぴちゃという卑猥な音が、の耳に響いて、もはや何も考えられなくなっていた。