第4章 教えてあげる<大久保利通>
部屋に入ると、大久保は畳に腰を下ろした。を促し、胡座をかいた膝の上へ誘導する。
「またがって」
「あ…」
着物の時のように足を閉じたまま座ろうとしたの腰を抱えて、大久保は足を開かせた。
正面から膝の上のを見上げると、くすりと微笑む。
「なんだか新鮮」
「…大久保さんも…素敵です」
官軍服に身を包み、自分を抱きしめる大久保がいつもと違って見える。
の身体は必要以上に熱を持ち、スカートから覗く素肌に大久保が触れるたび、小さく反応してしまう。
「口づけて」
ほら、というように大久保がを見上げた。その眼を見ていられずに顔をそらせば、頬に指が触れてやんわりと戻される。
「駄目。目をそらさないで」
「恥ずかしくて…」
「今日は、俺の願いを叶えてくれる約束のはず」
「…はい」
おずおずと視線を合わせれば、熱の籠った瞳がをとらえた。
大久保の肩に手を乗せて、ゆっくりと顔を寄せる。急かすように目を閉じた大久保の唇に、そっと自分のものを重ねて。
「…もう一回」
ねだるような甘い声。誘われるように再度唇を重ねれば、大久保の手がの頭をぐいと引き寄せた。
「ん…っぅ…」
より深くなる口づけに必死になって、はいつしか大久保の首にしがみついていた。
息が乱れ、頭がぼうっと甘く痺れる。