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【イケメン幕末】春を呼ぶ嵐のように(R18)

第4章 教えてあげる<大久保利通>




その日、既に閉店した四季の店内を片づけていたは、戸を叩く音に顔を上げた。


「、開けて」

「っ…」


待ち焦がれていた声に、飛びつくように戸を開ける。久しぶりに会えた大久保の姿が嬉しくて、つい顔が綻んでしまう。


「嬉しそう」

「久しぶりだったので…」

「うん…ごめん」


大久保も心なしか嬉しそうにを見下ろしていたが、ふと真面目な顔になって、ふわりとを抱きしめた。


「会いたかった」

「私もです」


久しぶりの温もり。声。匂い。

数日感じていた不安が嘘のように消え去っていく。が大久保の背中に手を回せば、大久保の腕にも答えるように力がこもる。


「誕生日、お祝いしたいです」

「俺もと一緒にいたい。そのために今忙しいけど、明後日は必ず二人でいよう」

「はい」


顔を見に来る時間だけ取れたから、と言って、大久保は名残惜しそうに腕を緩めた。出来れば引き止めたいけれど、誕生日を共に過ごすために頑張ってくれているのなら。


「無理は、しないでくださいね」

「との時間のためなら、無理しても惜しくない」


大久保の言葉が嬉しくて、熱が灯る顔を俯かせていると。


「…忘れてた」

「え…っん」


の頬に手を添えて、大久保は優しく口づけを落とした。


「行ってくる」

「行って…らっしゃい」


熱の残る唇に触れながら、愛しい人を見送った。

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