第4章 教えてあげる<大久保利通>
「あら、。どうしたの?」
「ユキちゃん…」
四季へ遊びに訪れたユキが、自分の訪問にも気づかないほどぼうっとしたへ心配そうに声をかけた。
机を拭く手が止まっていた事に気付いて、慌てて終わらせてから、ユキのためにお茶を淹れて運ぶ。
「も少し座ったら?」
「うん、そうしようかな」
客が他にいない事に甘えて、も自分に茶を注いでユキのそばへと腰を下ろした。
「ユキちゃん、最近大久保さんに会った…?」
「え、どうして?」
「しばらく、会えていないから。どうしてるかなと思って…」
「あら…そうなの?」
最後に恋人である大久保に会ったのは、一週間ほど前だろうか。誕生日の話になって、大久保は何か考えているようだったけれど。
その翌日から今日まで、は大久保に会えていない。会いに行ってもいない事がほとんどで、いたとしても来客があるようで入れてくれなかった。
大久保に限ってそんなこと、と思いながらも、浮気の可能性を考えてしまっては一人塞いで。
「…きっと、お忙しいんだよね」
「、心配しなくても大丈夫よ。大久保さんの誕生日、明後日でしょう?お祝いしなくっちゃね!」
「うん…そうだよね」
にこにこと、明るく笑うユキの言葉に、も元気をもらって頷いた。