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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第16章 汐田の分岐器


「いいじゃない。暁だってそう捨てたモンじゃないわよ?なんせアタシがいたとこなんだから」

「・・・何だ、ソレ。俺にトドメをさすつもりなのか、アンタは」

「どういう意味よ」

「うるさい!俺は打たれ弱いのが身上なんだ!余計な事言いやがってますますやる気なくなんだろ!?」

「ホンットメンドくさいコねえ・・・連れて来るんじゃなかったわ・・・」

「あ"あ"!?」

「暁に会いたいならアジトに行ったらいいんじゃないスかね」

「それがわかんねっつってんだよ!」

「はあ?じゃ今度連れてってやるよ。アタシ場所知ってっから」

「・・・何だアンタは?」

いつの間にか傍らにいて、大蛇丸同様腕組みして外壁を見上げる小柄な女にサスケは顔をしかめた。

「せめて誰って聞けないモンかね。綺麗な顔して礼儀がなってねえ」

「・・・アンタ何してんの、こんなトコで」

大蛇丸が顔をしかめた。

「磯のコでしょ?砂でデイダラと連んでたわね」

「久しぶりですね、オマルの旦那。その節はうちの連れを丸のみして話をややこしくしてくれやがって、ここで会ったが百年目デスよ」

真顔で外壁を見上げながら、藻裾が鹿爪らしく眉をひそめた。

「・・・オマルってアンタ・・・。半年経ってもまだ言うか。何でオマル?誰がオマル!?アタシがオマル!!??ふざけんじゃないわよ、クソガキが!」

「よそのクソガキ叱ってないで自分とこのクソガキ躾なさいませよ」

「あらヤだ。まともな事言って煙に巻くつもり?その手は桑名の焼き蛤よ!?」

「アッハハ、当たり前田のクラッカー」

「・・・何の話だ。一体コイツは何なんだ?」

苛立ったサスケが大蛇丸と藻裾を見比べる。サスケの胡乱な目を真っ向から受けて、藻裾がニヤリと笑う。

「アタシは汐田藻裾。磯が出自の、今は風来の身だ。行儀のなってねえ綺麗なガキは好物だ。よろしくな、ボクくん?」













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