第14章 引き際の線引き
「今来たばっかだぞ!?茶くらい出せ!」
「またそれか!わかったよ、一服盛ってやるからそこで正座して待ってろ、うん!?」
「誰が毒呑ませろっつった!?こちとらあと二百年は生きる気でいんだよ。テメエなんかに殺られてたまっか。たく、暫く会わねえうちに馬鹿の決定打食らったか?茶を出せっつってんだ、アタシは!」
「二百年ン!?どんだけ世の中に迷惑かける気でいんだ、テメエは!?」
「かけられるだけかける気でいんだよ。悪ィか」
「悪ィなんてもんじゃねえだろ!?スゲエ負の遺産みたくなっぞ、オメエ。世界7大厭な怪談ベスト3入りだ。ツタンカーメンやイエティと肩並べる気か?バカ言ってねえで早くくたばれ」
「うるせえな、早くお茶」
「仕事帰りの疲れたお父ちゃんかよテメエは!?話聞け!茶くらい自分で淹れろ!?うちにゃオメエに出す茶なんか金輪際ねんだよ、バカ。断りもなく降って来た挙げ句頭ァふみつけやがって、どこをどうこねくりまわせばここで茶が出るなんて思い付くんだ?おめでてえヤツだな?うん?」
「おめでてえのはテメエの髷だ。ちょ垣根の曲がり角まで来いや。焚き火にくべてやっからよ、頭っから」
「上等だゴラ、そんでイモ焼いたらァ。ぜってェ巻き添え食わせてやる」
「何だ、そんなにアタシが好きかよ。あ?」
「・・・もっぺん言うぞ?思い出の中でじっとしてやがれ。微動だにすんな、うん?」
「あー、わかったわかった。じっとしててやるからお茶」
「帰れよ!?消えろよ!?空気読め!?じっとしてんじゃねえよ!積極的に動いて消えるとこ、こォこッ!!」
「知らん知らん。お前の言うことはつまらん!」
「オイラは岸部じゃねえし!テメエも滝治じゃねえ!!大体懐かし過ぎ、ソレ!!」
「アタシ今年はもう六ヶ所も蚊に食われちまったよ。ひでえのが尻ッペタでさ。左右対称に食われてやんの。ダハハハハ!見るか?」
「死んでも生き返ってダッシュする程見たくねえ!鍵のねえ貞操帯で厳重にしまっとけ!永久に日の目を見せんな、そんなモン!!!」
「遠慮すんな」
「遠慮の使い方底抜けに間違ってッぞ、オメエ!?」
「何でよ。じゃ気使うな?」
「気の使い方の使い方も間違ってッぞ!?しばらく会わねえうちに馬鹿の決定打食らったのはテメエの方だ、腐れイモ裾!!」