第12章 弱点
まだ上手くコントロールは出来ないけどね。
ボールを上げ、無回転で打ち出す。
「おーし!」
リエーフくんがそのまま構える。
「おいリエーフ、左だ!」
「え?………あ」
直前で左側に曲がり、落ちた。
「上手くいかない…。
少なくとも相手に読まれてるようじゃダメだ」
サーブの出来に納得がいかない。
「ジャンフロ、気ぃつけろよ」
相手が存分にジャンプフローターに警戒した頃。
「っし」
それを嘲笑うかのように強烈なジャンプサーブを決める。
身体を反らせた拍子にピラッと服が舞う。
「!くろ、さん…!」
「うぃー」
赤葦さんがやっとの思いで上に上げたボールを、黒尾さんが繋ぐ。
「木兎、決めろよ」
黒尾さんから木兎さんへ繋がったボールを強烈な一撃となって降り注ぐ。
「っ…カバー!」
そのボールは上がったには上がったのだけれど、乱れた。
日向と月島くんが同時に動き、飛雄は月島くんにトスを上げ、相手コートにボールを叩き落とした。