第11章 優しさ
「ちょっと冷やせば良くなると思うけど。
痛みが引かなかったり、酷くなった場合は医者にかかった方が良いと思うよ」
「はい」
これ以上迷惑かけるのも嫌だから、大人しく座っている。
まぁ、いわゆるされるがまま状態だ。
「とりあえずはこれで良いでしょ」
「ごめん、ありがとう」
「…どう致しまして」
「私少し別のマネージャーのところへ行って来る」
「えー、もう行っちゃうのか?」
「もっとバレーやろうぜ、柏木ちゃん」
「鬼かよ」
ボソリと飛雄が呟く。
「いや、王様も似たようなもんでしょ。
あぁ、それ以上か」
「あぁ?」
という会話を聞き流して、体育館をあとにした。