第11章 優しさ
「足腰に力入れて、絶対吹き飛ばされないように立つ。
それで腕じゃなくて身体を使って返す。
それが1番安定するレシーブの打ち方」
「う………ん」
分かってなさそうな顔。
「本能で動く人にそんな堅いこと言ったってムダでしょ。
あれ絶対身体で覚えるタイプでしょ」
だろうと思ったけどさ。
「ツッキー良いのか?大事な彼女」
「…だから。
彼女じゃないって何度言えば分かるんですか?」
この返しにはもうウンザリた。
「そういえば武田先生ってご飯の時戻って来るの?」
「知らないよ」
「メニュー考えるの武田先生だし、私料理とか苦手だし…」
今頃お酒も入っているだろう。
清水先輩も不在。
「他のマネージャーにでも頼んだら?」
「高確率で何か条件出されそうな気がするけど」
あの様子からするに。
「まぁ、良い性格した人が多いですからね。
うちのマネは」
「でもご飯ないとやだ。
俺飢え死にする」
「一応他のマネージャーにも頼んでみるけど」