第11章 優しさ
「なぁ、波瑠って月島のこと好きなの?」
「そんなんじゃないよ。
梟谷のマネージャーさんに聞いてって言われたから」
「適当に答えておいてよ」
「それ1番困るんだけど」
「だって面倒くさいし」
「分からなくもないけどさ」
月島くんモテるからな。
こういうことしょっちゅうあるだろうし。
「それより、日向ってレシーブ苦手な方でしょ」
「うぅ…………ハイ」
言葉を詰まらせたあと、苦い顔で頷いた。
「なんで分かったの?」
「練習見てれば、今ので確信したけど。
それに体重のかけ方が下手だから」
「下手…」
「はっきり言うねぇ」
「脚の踏ん張り利いてないよ。
腕も柔軟性に足りない、勢いに負けちゃってる」
「…だって難しいんだよ…」
「まぁ、軽いっていうのもあるんだけど」
「かっ、軽くねーよ!」
「何キロ?」
「…51…」
「十分軽いよ」
「んなっ…」