第10章 疲労
「ほーぉ、どこまでがそこら辺なのかぁ」
挑発するのも上手いけど、それに乗せられるのも上手いな。
「自分は出ないのにどうして怒るんですか?黒尾さん」
「あ…」
「先そっちサーブで良いぞー」
「木兎さんはまた勝手に…」
「波瑠、お前サーブやれ」
「命令しないで」
「んじゃ俺審判な。
研磨ー、別にゲームしてても良いけど流れ球には気をつけろよ」
「…うん」
「ふーっ…」
息をゆっくりと吐き出し、スイッチを入れる。
「っし…」
威力重視のサーブ。
「あ…」
ボールはコートギリギリに落ちた。
判定が必要なレベルだ。
「すんげー威力」
「下手くそ。
練習サボッて腕鈍らせてんじゃねぇよ」
「おい影山!」
「煩い、悪いと思ってる。
あともう少し待って。
それで調子取り戻すから」
「絶対だからな」
「分かってる」
無回転でボールを上げ、サーブを繰り出す。
「ジャンプフローター…!」