第9章 秀才
「…この際だから言わせて貰っても良い?」
2人に尋ねる私の声色は固くて低い。
「「お、おう」」
「バレーの練習ばっかりし過ぎ。
大会後も練習後も残って練習とか、そりゃ成績下がるよ。
むしろ下がってなきゃおかしい。
その上授業中に寝るとか本当意味分かんないんだけど。
文武両道って言葉知ってる?
学芸と武道の “ 両方 ” を極めること!
勉強もバレーも猪突猛進にやれば良いってものじゃない。
特にテストは百戦錬磨っていう訳にはいかないの。
勉強中は勉強のこと以外は考えない!
一心不乱にやれば良い。
私…赤点取らせる為に勉強教えた訳じゃないんだけど」
あえて難しめな単語を入れて話した。
「ちょ、猪突猛進って…一心不乱…百戦錬磨…なんかカッコイイな‼︎」
「意味分かって言ってんの?」
鋭いツッコミ、ごもっともだ。