第9章 秀才
「前みたくあんたが教えれば良いでしょ。
スイッチ入れればなんとかなるよね?」
「…」
「やりたくないとか、言わせないんだけど」
「終わったあとの練習を約束に焚き付けてはいるけど、どこまで持つかな」
「話逸らさないでくれる?」
「へいへい、ツッキー。
彼女に厳しいんじゃない?」
「だから彼女じゃないです」
月島くんが否定するのも、これで何回目だろうか。
「月島くん進学クラスじゃん」
「それ君もでしょ」
「ふぅん、ツッキー勉強出来るんだ」
「月島ーっ…さん」
「は?」
「今度は理科教えてくれ…さい」
「日本語グダグダ。
僕もう教えたくないんだけど」
走って入って来た日向と飛雄。
「波瑠!ここに居たんだ。
また勉強教えて!
あの分かりやすいやつ」
以前日向達には全てバレーに置き換えて説明していた。
「まぁ、確かに分かりやすいけど」
「「それでも赤点取ったのはどこの誰?」」
2人の声が妙に合った。